幸せの扉を探して
架瑠のあの事件より
架瑠の両親から
何かを・・
言って来る事はなかった。
架瑠自身も何も言われないように
毎日、朝早くから遅くまで
仕事に打ち込んでいるようだった。
会社に入ったばかりの頃は
全部署を回り
仕事の内容を把握して
勉強をする日々を送っていた。
新君は、架瑠の補佐の勉強の為に
秘書課に配属された。
私もバイトをしていたとはいえ
クライアントにとってより良い
結果を出すことに力を注ぐことを
一番に考える仕事の為
一件、一件、気を抜くことはなく
大変な毎日を送っていた。
でも、少しずつ一人で
出来るようになり
毎日、毎日が勉強の日々。
月曜日から金曜日は、
架瑠の体調を考えた料理をして
架瑠を支えていた。
架瑠も仕事が大変な桜を気遣うが、
桜が・・
「私は大丈夫だよ。架瑠の方が大事」
と、言ってくれる事で
頑張れた。
桜は、週に何度かは
新にも手料理をご馳走していた。
新にも彼女がいるかもしれないが
忙しくて、きちんと食べていないのでは
と心配になるため・・・
「桜、新の事なんか心配しなくていいから」
と、架瑠は言うが
「なんでだよ、俺も桜ちゃんのご飯
食べたいんだよ。
マジで、桜ちゃんの手料理美味しくて
俺、生き返る。」
「チッ、お前、死んでこい。」
「もぅ、架瑠、何て事を。
新君は、架瑠を支える大切な人だよ。」
「そうそう、わかってるね
桜ちゃんは。」
「調子にのるな。
食べたら、さっさと帰れよ。」
「じゃ、ゆっくり食べよう。」
と、言い合う二人に
桜は、嬉しそうに笑った。
新君を玄関まで見送ると
架瑠は、桜を抱き締めて
「新なんか、見送らなくて
いいから」
と、言うから
クスクス、笑ってしまう。
架瑠にお風呂に連れて行かれ
二人でお風呂に入る
そこで、一度架瑠に翻弄されて
脱衣室で、また、架瑠が入ってきて
ぐったりしていると
架瑠から着替えさせられ
髪を乾かされ、ベッドに入り
また、私の中に入ってくる
どこに、こんな体力があるのかと
思うが・・・
「桜を抱くのは本能から来てるから」
と、言いながらニヤニヤする。