幸せの扉を探して
入籍して二年が過ぎた時・・
架瑠は、副社長に就任し
新君は、架瑠の秘書となった。
副社長に就任すると
出張や視察も増えて行き
月の半分は、家に居ない事が
多くなった。
それでも二人でいれる
二人の時間を大切にしていた。
桜は、架瑠と一緒に
食べれる朝と
たまに一緒に食べれる夜は、
架瑠の体調を考えて料理を作って
二人で食べた。
**そんな日々の日曜日**
今・・・
架瑠は、アメリカに
新君と出張中‥‥‥‥
来客をつげるブザーがなる
「はい。」
「ドアを開けなさい。」
「あの、どちら様ですか?」
「あなた、自分の旦那様の親の顔も
知らないの?」
「・えっ・・お義母・・・様・・」
直ぐに、解除し
架瑠の母親を部屋に招き入れ
「はじめまして、桜と申します。」
と、挨拶をするが
架瑠のお母さんは、私の横を通り抜け
ずがずがと中入り、ソファーに腰かけた。
桜は、お茶の用意をしていると
架瑠の母親は、あちこちを見て回り
フンと、鼻をならす。
そんな母親の前にお茶をおき
ラグの上に座ると
いきなり・・・
「まったく、なんの後ろ楯もない
女を、どうして大友の嫁になんかに!!
架瑠さんが、あんなバカな真似を
するなんて。
あなたが、そうさせたのではないの?
しばらく様子をみると主人が
言うから、この二年は、
我慢しましたが、
もう、いいでしょ!!
SHISEIDOの社長家の嫁になれたの
ですから。
おままごとは、もう終わりです。
架瑠には、相澤財閥の娘さんと
縁談のお話があるの。
沢山、お嫁さん候補はいらっしゃる中で
相澤財閥の相澤 瞳子さんは、
素晴らしい方で
容姿端麗の上、気品もあり
ああ、あなたとは比較にならないわ。
あなたみたいな孤児院で
育った人なんか・・・
大友の嫁として恥ずかしい。
瞳子さんとの話しが
今後は進みますので
さっさと籍を抜いて出ていきなさい。
式もあげずに、あなたを隠している
架瑠さんも、きっと恥ずかしいから
なのよ。お分かり?」
あまりの言葉に声を出すことも
できずにいた・・・
気づいた時には、架瑠のお母さんは、
部屋には、いなかった。
式は、二人だけで
あげようと言ってくれた・・架瑠
でも私は
小田さん夫婦や亡き両親に
きちんと挨拶をしてくれた
架瑠がいるだけで幸せだったから
そう伝えた。
だけど・・・・
架瑠は、恥ずかしかったの?
大友に担う嫁?
確かに孤児院で暮らしていた。
だけど、それを恥じる事なんか
何一つない。
先生方は、優しく皆に
接してくれて、穏やかな日々を
過ごしていた。
亡き両親も小田さん夫婦も
私に沢山の愛情を注いでくれた。
そんなに家柄が大事なのだろうか?
私では、架瑠の足を引っ張り
足枷になるのだろうか?