幸せの扉を探して
回想 ④

架瑠から
「出張の期間が延びた。」
と、連絡が来た。

瞳子さんとの事
お母さんに言われた事を
確認したい・・・
そんなことあるはずない
俺は、そんな事思ってない
と、言って欲しい・・・

けど‥‥‥‥

架瑠は、毎日忙しい中
合間をみて、私に連絡をくれている
そんな架瑠に心配をかけたくなくて
私は何も言えずにいた。

「わかったよ。
寂しいけど
架瑠も頑張っているから
私もお仕事頑張るね。」
と、言うしかなかった。
架瑠も
「桜不足なんだけど
頑張るからな。」
と、言った。

相澤さん親子と会ってから
毎日、架瑠のお母さんから
電話がかかる。

携帯番号を聞かれたから
教えたのだ。
教えないと、また、何か
言われそうだったから・・・

だけど‥‥‥‥
毎日・・・毎日・・・

「今日は、瞳子さんとお買い物に
行ったのよ。」
「瞳子さんのピアノのリサイタルに
ご招待されたの。」
「お茶の集まりがあって
美味しいお茶を頂いたの」
「瞳子さんとブライダルの
衣装あわせに行ったの」
等々・・・・

着信がなる度に
胃が締め付けられ
吐き気に襲われる

また、着信
「キャーっ」と、携帯を落とす
その時に手が触れたのか
「もしもし、もしも~し
桜!桜!!」
永莉の声が聞こえて
慌てて携帯をとる
「・・・永・・莉っ?・・・」
「桜?桜なの?どうしたの?」
「・・・・永莉っ、・・助け・・て・・」
「直ぐ、行く。家よね」
「・・・う・・ん・・」
と、言うと永莉は直ぐに電話を切り
少しすると来客のブザーがなった。

解除し玄関を開けると
はぁっ、はぁっと息を切らせた
永莉が立っていた。

永莉は、桜の顔を見て
「どうして、そんな顔をしてるの?
大友君と結婚して幸せにしていたんじゃ
ないの?」
と、言いながら
私を抱き締めた。


永莉・・・

桜を抱き締めると
痩せて骨があたる
そんな桜に尚びっくりする
すると、桜がずるずると倒れて行き
永莉は、桜と共に倒れてしまうが
桜の体をずらし
直ぐに救急車を呼んだ。

「桜?桜?!!!!!」
何度も声をかけるが
桜は、目も開けることもなく
呼び掛けに応じなかった。

救急病院に運ばれて検査を受ける
その間に永莉は桜の親代わりである
小田に連絡する。

何度か永莉も会っていたから
「永莉ちゃんかい?」
「はい、ご無沙汰しています。」
「そうだね。元気にしてる?」
「はい。とても元気です。
あの、実は、小田さん、桜が倒れて
救急車で運ばれたんです。
病院は・・・・」
と、話すと小田さんは、
「直ぐに行くから」
と、言った。

少し待つと
小田さんと奥さんのあかねさんが
一緒に来てくれた。
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