幸せの扉を探して

桜が、次の日 目を覚ますと
あかねさんが、ニコニコしていた。

永莉ちゃんを探すと
「永莉ちゃんは、一度帰って
仕事に行くって。
夕方、来るから
ちゃんと食べて、ゆっくりしてな
って、永莉ちゃんからの伝言よ。」
と、言われて
目に涙がたまる・・

あかねさんが
「良い友達を持ったね。」
と、言ってくれたから
うんうんと頷いた。

点滴をしながら
流動食がでた。
まだ、一口、二口しか食べれない。
でも、あかねさんは、
すごく喜んでくれた。

昨夜、永莉ちゃんから
携帯は電源を落としたままに
するように言われた。

自分が架瑠にメールして
携帯が壊れたからと
伝えておくからね
と、言ってもらった。

「あかねさんや小田さんと
一緒のときに、あっちから
電話あったら隠せないから。」
と、本当に永莉ちゃんには、
沢山、心配や迷惑をかけてしまった。

「あかねさん、彰さんのお世話
大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「うふっ、大丈夫よ。
自分で何か食べたはず」
と、笑ってくれた。
「ごめんなさい。私のせいで。」
と、言うと
「桜ちゃん、怒るよ。
あなたは、私の娘同然なんだから
親が娘を心配するのは、
当たり前なの、わかった?」
と、言われて
涙が溢れてしまった。

そんな私を
あかねさんは抱き締めてくれて
「沢山食べて、早く元気になろうね。」
と、言ってくれた。

私は、沢山頷きながら
そのまま
あかねさんに抱き締められていた。

あかねさんは、温かくて
すごくホッとする。
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