幸せの扉を探して
永莉は、
桜がぐっすり寝ていたので
あかねさんに伝言をお願いして
あかねさんに桜の事を
お願いして一度帰ってから
出社した。
永莉の勤める東司法書士事務所は、
10名の司法書士と
所長の東さんで
運営されている。
所長の東さんは、
とても優しく頼りになる。
先輩方も優しくて
とても楽しい職場だ。
所長に、
「二、三日定時で上がらせて下さい。」
と、お願いした。
ちょっとだけ理由を添えて。
東さんは、
「無理するなよ。」
と、言ってくれた。
病院通いと仕事の両立を
心配された。
入院期間は、短いと思う
だが、退院した後をどうするか
を考える。
さっき、桜の旦那の大友君に
[桜の携帯が壊れたから
昨日から連絡つかないはずだから
何かあったら、私にメールして]
と連絡したら
[連絡つかないから
心配で、帰国しようかと焦った]
と、返信きたから
[心配ないから、ちゃんと仕事しろ]
と、返しておいた。
彼に、言ったほうが
良いと思うが・・・
簡単には行かない。
どうしたものかと
考えながら、仕事をして
夕方、皆さんに謝って
定時で上がり、病院に急いだ。
あかねさんも夕飯の準備等が
あると思うから。
だが、あかねさんは、
「そんなに急いで来なくても
大丈夫よ。」
と、言ってくれた。
あかねさんが帰ってから
大友君からのメールを桜に見せると
嬉しそうに笑った。
それから、ちゃんと食べたの?
ちゃんと、ゆっくりした?
と訊ねると
笑いながら、
「うん。」
と、答える桜に正直ホッとした。
「ねぇ、桜。
退院したら、大友君
帰るまで、家においで。」
「永莉ちゃんの迷惑に・・」
「また? 桜、迷惑じゃないよ。
あそこにいたら、また来るよ。
一人で、対処できないでしょ?
それに、大友君が帰る日に
マンションに戻ればいいだけでしょ。」
と、言うと
「・・ありがとう‥‥‥永莉ちゃん。」
「それに、桜が早く帰った日は
桜が手料理作ってよ。
桜の手料理、美味しいから。」
「クスッ、うん、わかった。」
と、話してから
「飲み物とか買いに行ってくるけど
欲しいものある?」
と、話して病室から出ると
壁にもたれかかった颯天先生がいて
唇に指を立て[しーっ]とした。
びっくりしたが、コクンと頷くと、
颯天先生は、
今度は手で おいで、おいでをする。
私は、颯天先生の後をついて行った。
先生は、院内にあるコンビニで
私が必要な物を買うのを待って
横の来客スペースに行き
コーヒーを二つ買ってきて
腰かけた。
「ありがとうございます。」
と、コーヒーを受け取り
颯天先生の出方をまつと・・・
「他言はしない。
話せる事だけ話してくれる?」
と、言われて
簡単に話せる内容ではない
でも、颯天先生は弁護士だ
何か、力になってくれるかも。
と、思い・・・・