幸せの扉を探して
翌日の日曜日も
架瑠は、スーツをきて
会社に向かった。
そんな架瑠を
桜は、黙って見送るしかなかった。
「桜、今日も遅くなるかも
知れない。
俺の分は、用意しなくていいよ。」
「うん、わかった。」
玄関がしまると
桜は、フラりとその場に
座り込んでしまった。
どのくらい
そうしていたか
携帯の着信音に
はっとなり
リビングに戻ると
永莉からで・・・
「もしも~し、桜?
どう、ダーリン帰ってきて」
「・・・・・・・」
「うん?ゆなっ、桜っ、どうしたの?」
「・・・・永莉・・ちゃんっ・・」
「桜、そっちに行くから待って。」
と、言った。
少しすると
来客を知らせるブザーがなり
解除して玄関を開けると
永莉ちゃんが入ってきて・・
永莉は、桜の顔を見て
桜を抱き締めた。
大友君が帰国したから・・
安心していたのに
どうして・・・
永莉は、
桜が話し出すのを待つ
桜の話を聞いて・・
「私も桜が思っている事が
正しいと思う。
桜、大丈夫?」
「永莉ちゃん。
心配かけてごめんね。
架瑠が私と御両親の間で
苦しむのを見たくないの
架瑠の体も
二度と傷つけて欲しくもない!
だけど、もう少しだけ
もう少しだけでいいから
架瑠のそばに・・いたい‥‥‥」
と、涙を流す桜に
「あなたが‥‥ゆながっ‥‥
大友君の奥さんなのよ。
なのに、どうして・・・
桜がこんな思いをしないと
いけないのよ
なんなの!!
大友君も大友君の親も!」
と、怒りながら一緒に
泣いてくれる永莉に
桜は、胸がいっぱいになった。
二人は、暫く抱き締めあっていたが
永莉は、桜を外に連れ出し
食事をさせたり
ショッピングに
つれ回した。
帰りたくない・・
でも、心配かけたくない・・
その思いの中で揺れている桜
永莉は、架瑠に連絡して
[私が、今日は桜に
そばにいてほしいから
今日は桜を貸して]
とメールして
桜を自分の家に連れて帰った。
架瑠から、遅くになって
[わかった。]とメールが届いた。
これだけ?なんなのまったく!!
いったい彼は何を考えているの
だろうか?
桜には、なんの連絡もない・・
これ以上、桜を傷つけるなら
こちらも考えがある。
強い味方が沢山いるのだから。
桜をお風呂にいれた間に
颯天先生にメールをして
現状を報告した。
桜の言葉と一緒に。
今日一緒にいて
気をまぎらわしても
ずっと守る事は出来ない
それがわかっていても
永莉は、あの倒れた時の
桜を再度見ることは
どうしても‥‥避けたかった。
その事を颯天先生は、
ちゃんとわかってくれていた。
[今夜は、桜ちゃんをゆっくり
させてあげて。
それができるのは、永莉ちゃんだけ
だから。]
と、メールの返事がきた。
永莉は、ホッとしながら
改めて、桜のそばにいたいと
思った。