幸せの扉を探して

「なぁ、聞いてもよい?」
「なんだ?」

いつも、俺の事を
副社長としてきちんと
接する新が
言葉をくずして話す時は
私用モード。

それも大半は、
怒りの時か・・喜びの時だ・・
だが今の、新の声色からすると
前者・・・だ

「相澤財閥のお嬢さんとの
話しは、只の噂だよな
俺を抜きで動きが
あっているようだが」

はぁっ‥‥‥やはり‥‥それか‥‥

「全てが噂ではない。
新しいプロジェクトで
アメリカの企業を買収したが
あれは、三菱銀行から
全ての資金が出ている。
相澤財閥と提携しての
初のプロジェクトとなった。」

「それは、俺にもわかっている
だが、SHISEIDOと半々で
やるんじゃなかったのか?」

「その予定だったが
親父と相澤との話で勝手に
変更されていた。」

「なら、半々にすれば良い話だろ?
そうでないと、噂が噂ですまなく
なるぞ。
お前、わかっているだろ?」

「ああ、わかっているつもりだ。」

「ああ?わかってないだろう?
いや、違うな。
わかっているから
俺を外しているんだろう
結局、親父さん達の
いいなりなんだな。
それで・・いいんだな?
お前、大切な物を失ってから
後悔するなよ。」
と、言うと新は
副社長室から出て行った。

わかっている‥‥‥
わかっているが‥‥‥‥‥
どうにもならないんだ‥‥‥‥
くそっ・・・くっ‥‥‥‥
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