幸せの扉を探して

土曜日の夜は
相澤さん親子と食事をし
終わると瞳子さんを自宅までおくり
マンションに帰った。

日曜日は、朝は仕事
昼は、瞳子さんとランチ
午後からも仕事をした。

家にいて桜と共にいることが
苦しくて、会話もほどほどに
会社に逃げる
会社の副社長室だけが
俺の癒しになっていた


週明けて月曜日に
新から辞表を出された。
俺は受け取り
「これからどうするんだ?」
と、訊ねると
「お前には関係ないが
親父の会社を手伝う事にした。」
「そうか、親父さんの?
俺がここに誘わなかったら
最初から親父の会社を
手伝えたのに。
すまなかった。」
と、言うと
「自分で決めた事だ。
それに、親父もお前のとこなら
と、言ってくれていたから。
だが・・お前、変わってしまったんだな
桜ちゃんの事を・・・
‥‥今のお前に、何を言っても
無駄だな。」

俺は、なにも言えずに
机の下で拳を握るしかなかった。
爪が食い込んで血がでようとも

新の親父さんには
本当に可愛がってもらった
自分の父親は、俺に構うことなく
会社、仕事、の人だったから
新の親父さんとの話しは
楽しかった。
だからこそ、まもりたい
護らないといけないんだ。


共に助け合い、頑張ってくれた
新をも失う事になってしまっても・・

ああっ、これで俺は、
桜だけでなく
新も失ってしまったんだなぁ
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