幸せの扉を探して
日曜日の遅くに架瑠が
帰ってきた。
「お帰りなさい」と、桜。
「ああ、ただいま。」
架瑠は、そのまま
お風呂に向かった。
その間に食事の準備をする
架瑠がリビングにきて
ダイニングテーブルに
つく
私はそっと、リビングからでる
きっと、一緒にいたくないと
思っているだろうから・・
架瑠の脱いだワイシャツを取り
クリーニングの袋にいれようと・・
うん?血?・・
ワイシャツの袖に血がついていた。
ワイシャツを袋に入れて
救急箱を持ってリビングに戻り
食事を終えた架瑠の手をとると
一瞬、架瑠が手に力をいれたが
私も負けずに掴む
「‥‥‥っ‥‥」
「ごめん、痛いよね。」
と、手首を見る
手首には傷はない
手のひらをみると
右手の平には爪?の後がかなり
深くあり血が滲んでいた。
そこに消毒をして
化膿止めを塗り包帯を巻くと
「ありがとう。」
と、苦しそうに言う架瑠に
「無理しないでね。」
と、言って立ち上がり
離れようとすると
架瑠が後ろから抱き締めてきた。
その架瑠の手に手を重ねて
「‥‥‥抱いて‥‥‥‥」
と、言うと
架瑠の体が一瞬力んだが
直ぐに架瑠に抱き上げられ
寝室のベッドに下ろされた。
私の上に股がる架瑠と目が合う
架瑠の瞳は
悲しみと辛さを宿していた
そんな架瑠の瞳に涙が溢れた
架瑠は、何度も何度も
私の中に果てては
また、身体を繋ぎ続け
倒れるように架瑠は
眠りについた。
「ごめんね。私との間で苦しめて
だけど‥‥‥わたし‥‥‥‥は‥‥‥
もっと一緒にいたかった。
ずっと一緒にいたかった。
すごく愛してるの。
だから、幸せになってね、架瑠
今まで、ありがとう。」
と、架瑠の頬にキスをしながら
目覚ましをセットして
架瑠の朝食の準備をして
用意していた離婚届を置いて
[私は、一人でも大丈夫。
だから幸せになって下さい。
今まで、ありがとうございました。
桜 ]
手紙と指輪、携帯を置いて
キャリーバッグを持ち
部屋を出て鍵は、ポストに落とした。
まもなく、世が明ける
私は、永莉ちゃんの隣の部屋を
借りていた。
たまたま、探していたら
永莉ちゃんの部屋の隣が
空いていて速攻二人で決めた
そこへ向かう。
両親の荷物は、もう搬入済み。
永莉ちゃんには
本当にお世話になりっぱなし
永莉ちゃんがいなかったら
私はこうしていられなかった。
マンションについて
部屋に入ると電気が着いていた
「桜、おはよう
そして、お帰り。」
と、言う永莉ちゃんに
抱きついて、声をあげて泣いた。
どのくらい泣いていたのか
わからないが、目を覚ますと
永莉ちゃんの姿はなくて
私の体には毛布がかけられていて
テーブルには、メモが
「今日は、休みなさい。
颯天先生に連絡済み。
部屋を片付けたりしてな
そして、夕飯楽しみにしてる。」
と、書いてあった。
そう、いつの間にか
永莉ちゃんと颯天先生は
お付き合いをしていた
綺麗な永莉ちゃんと
素敵な颯天先生は、
とてもお似合いのカップル
永莉ちゃんは、私を心配して
一緒に暮らそうと言ってくれたが
いや~無理でしょと
お断りをした。
二人の邪魔をしたくないし。
だけど今日は、ゆっくりさせて
貰おう。