幸せの扉を探して

架瑠**


架瑠・・

桜を失ってから
まともに食事もしなくなった
一人であのベッドにも寝る気も
おこらず
ソファーに横になる
睡魔が襲うが
直ぐに目が覚める
桜が、離れて行く夢をみて
『桜っ・・・、ゆなっ・・・』
手が届かずに眼がさめると
はぁっ、はぁっと肩で息を繰り返す
また、寝ても
同じ事を繰り返すと思い
眠れない

そして、新・・・・

新の代わりの秘書など要らない
俺の秘書は、新じゃないと
無理だから
親父は、色々言うが
俺は、すべてをはね除けた。

すべてを一人でこなす。
たまに、おにぎりを
たまに、サンドイッチを
口にしながら
食卓に並ぶ、桜の料理が食べたい
そんな妄想を繰り返しながら・・

相澤のお嬢さんと
いつまで一緒にいないと
いけないんだろう

あの顔も、性格も、臭いも
俺には・・・無理だ。

吐き気さえする
吐くわけにもいかないから
自分の部屋にこもるように
しているのに·······

たまに帰ると
下らない事をグダグダと
言いながら、ついてくる。

マジで、勘弁してくれ
吐きそうだ・・・・
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