幸せの扉を探して
うるさい女**
会社で仕事をしていると
あの女がやってきて
わめき散らしていた
下らない、下品なことを
バカなのかと疑ってしまう。
部屋を追い出すと
親父の所に泣きついたみたいで
親父に
「あのお嬢さんと
少しは、一緒にいてくれ
仕事中に・・くるなんて・・」
と、いささか呆れながら
告げる俺に
「誓約書にサインしましたよね。」
と、言うと
「わかっているが。
仕事中に来られると
支障もでるし、社員にでも
耳にはいれば面倒だ。」
と、言われて
勝手な事をと思うが
俺もくだらない事を会社まできて
言われるのは・・・と
仕事が終わり九時に
あの女がいるマンションに帰ったが
あの女は、不在で
簡単にシャワーを浴び自分の部屋に入る。
あの女は、朝がきて
俺が会社に出社する時間にも
帰ってくることもなかった。
良い身分だな・・
すべてをハウスキーパーに任せて
やれお茶会だ
パーティーだ、ピアノの発表会だと
その上、遊び呆けて朝帰りか。
桜は、そんなことなかった
いつも俺に寄り添い
美味しい食事に温かな家庭
ゆなっ、桜っ、抱き締めたい
この腕の中に・・・
桜の落ち着く匂いを嗅いでいたい
変態ぎみな自分に苦笑いしながら
あのお嬢さんを少し調べて
使えるものは、使うとするか
と、電話をかけた。
毎日、毎日、ずっと
架瑠の帰りを待っていた瞳子だったが
日頃のつけもあり
待ち焦がれた架瑠と
こんな形にすれ違うとは
本人は、まったく知らない。