幸せの扉を探して
立ち会う**
桜は、9ヶ月を過ぎたが
食事等が安定していないため
早い出産に切り替える事になった。
桜は、あかねと彰に相談して
先生の指示通りに
することにしたのだ。
私のせいで
赤ちゃんに負担を
かけていることが
申し訳なかったが・・
先生は、
「大丈夫、問題ないよ。」
と、言ってくれた。
その言葉に桜は
安心できた。
だが、あかねと彰は、
先生より、桜の不安を
なるべく取り除いて欲しいと
言われていた。
桜は、入院をして
陣痛促進剤を使い
早目の出産となった。
桜が、分娩室に入り
痛みと戦っていると・・・・
ガラガラと、ドアが開き
清潔着を着用しマスクをした
男性が入ってきた。
桜は、痛みに誰かが入ってきたのも
わからずにいたが
手を握られて
「桜っ、ゆなっ、頑張れ!!」
と、言われ
「‥‥‥か‥‥け‥‥るっ‥‥‥?‥‥」
と、声を出すと
男性は、コクンと頷く
架瑠は、桜の汗を拭いたり
先生の指示に従い
体をおこすように言われたら
桜の体を支え、腰をさすり
声をかけた。
「桜ちゃん、次に波がきたら
おもいっきり、息んでね。」
と、先生に言われて
「ううう‥んんっ‥‥うっ‥‥はっ‥‥」
「‥‥‥おぎゃ‥‥おぎゃ‥‥‥」
の、産声に先生は
「ああ~綺麗な赤ちゃんよ。」
と、言いながら
赤ちゃんは、桜の胸におかれた。
桜は、優しい眼差しで赤ちゃんを
見つめ、架瑠を見上げた。
架瑠の目には沢山の涙が
たまっている
先生から
「パパですか?
おめでとうございます。
桜ちゃんは、少し不安定でしたので
早目に出産に切り替えました。
でも、赤ちゃんは週数的にも
問題はありませんので
心配しないでください。」
と、説明を受け
「先生、ありがとうございます。
スタッフのみなさん、
ありがとうございます。」
と、架瑠は頭を下げた。
看護師さんが
「パパもママも美男美女だから
イケメン君なんですね。」
と、言うと
回りの人達も、うんうんと
微笑みながら、頷いてくれた。
架瑠は、桜事赤ちゃんを抱き締めて
「ありがとう、桜。
ありがとう、我が子。」
と、言うと
桜は、首をふりながら
涙を流した。
赤ちゃんは、看護師さんの手に
抱かれて、新生児室に行った。
新生児室の前には
あかね、彰、颯天、永莉、新がいて
わぁ〜わぁ〜、キャー、キャー騒いでいた。
桜は、処置が終わり次第
病室にくるので
架瑠は、一度皆の元に行き
「連絡を頂き
ありがとうございました。
そして、桜を支えてくれて
本当にありがとうございます。」
と、五人に頭を下げた。
そう・・・
桜の陣痛が始まったと連絡がきて
新は、直ぐに架瑠に電話した。
新からの電話にびっくりしたが
「もしもし、どうした?」
「架瑠、○◯クリニックに
直ぐに来い。直ぐだぞ。」
「えっ、新、なに?」
と、言うが、新は電話を切っていた。
わけわからないが、
新が言うならと
会社を後にした。
クリニックにつくと
産婦人科?
新がバタバタ走ってきて
「こい!!」
と、連れていかれて
清潔着を着せられ、マスクをされて
中に入れられた
ベッドで苦しんでいるのは
桜で・・架瑠は状況を把握して
桜に寄り添った。