幸せの扉を探して
上手だね**
翌朝、あかねさんが来てくれて
架瑠は、後ろ髪を引かれる用に
病院を後にした。
その姿を
桜とあかねは見ながら笑っていた。
あかねに赤ちゃんの名前を
結俐にしたと、報告すると
「結俐君ね。良い名前だわ。」
と、言ってくれた。
午前中に結俐は
桜の病室へきた。
早く産まれたが
どこも異常はないと
小児科の先生も受診してくれた
みたいで、先生から報告があった。
先生は、
「ゆっくり育てようね。」
と、言ってくれた。
それからは、赤ちゃんの
授乳の仕方、
おむつの変え方
お風呂の入れかたを
習いながら、実践していく
結俐は、おとなしい子で
お腹がすいた時と
オムツが濡れたときのみ
泣いて知らせた。
夜は、ママが疲れるからと
授乳してから新生児室に
連れて行く。
夕方に皆きてくれて
代わる代わる結俐を抱いてくれた。
夜に授乳をして
新生児室に連れて行こうとしたら
架瑠が入ってきて
「あっ、ごめん。」
と、授乳中の桜に謝った
「うふふっ、大丈夫だよ。」
と、桜が言うと
赤い顔をしながら
「見ていいの?」
と、きく
「うん。」
と、言われて
振り向くと
結俐が美味しそうに
桜のお乳を吸っていた。
「上手だね。」
「うん。不思議だね。」
と、話してると
結俐がそのまま寝てしまうから
桜は、胸を直して
結俐にゲップさせる
桜の一連の動作をみながら
桜は、ママなんだなぁ
と、架瑠は思っていた。
そんな架瑠に結俐を抱かせて
新生児室に一緒に連れて行き
看護師さんに預けた。
名残惜しそうな架瑠に
看護師さんも笑っていた。
「ありがとう、きてくれて。
でも、お家は大丈夫なの?」
と、桜が言うと
辛そうな顔をした架瑠だったが
「大丈夫だよ。」
と、言った。
どうしたのか・・と
思うが、自分が口を出すことではないと
桜は、思っていた。