幸せの扉を探して
離婚用紙の架瑠の欄は、
きれいに書かれていた。
詳細には、
・慰謝料なし
・財産分与もなし
・今住んでいるマンションは
瞳子に渡す。
[家の中の物全て架瑠は要らない事]
と、記載されていた。
「これはまた、一方的だな?
人の娘を、ましてや相澤財閥の
一人娘を傷物にして
慰謝料も財産も渡さない。
マンションだけ・・とは。
相澤財閥も舐められたものだな?」
と、瞳子の父親は、架瑠と彰を
睨みつけた。
彰は、立ち上がり
「架瑠さんは、あなたの娘さんに
指一本触れていません。
それに、こちらを」
と、渡したのは
架瑠と卓が書いた契約書と
瞳子と麗音の写真
ホテルに入る所と出る所の数日分。
「えっ、どういう事ですの?」
と、瞳子の母親が
架瑠と瞳子を見る。
卓は、下を向いて
拳を握っている。
「これは、本当のことなのか」
と、瞳子の父親は、用紙を卓に
写真を瞳子に投げた。
二人は、それを見て
息を飲んだ。
瞳子の母親は、瞳子に渡された
写真を見て
ワナワナふるえていた。
「瞳子さんのホスト遊びの支払いは、
相澤さんの手で済まされて
いたようですが。
瞳子さんが寂しさを埋める為に
遊びに走った事の責任に
マンションは、お渡しすることに
致しました。」
ホスト遊びと聞いて
卓も春も、びっくりしていた。
「結婚を了承して
瞳子と夫婦になったのに
愛されることもなく
過ごさないと行けなかった
娘は、被害者だ。
ホストの男にも騙されただけだ。」
と、瞳子の父親は言ったが
彰は、
「貴方と大友さんが勝手に
契約をやり直し
架瑠君を巻き込みましたよね
契約書が二通あるから
それが証拠です。
それに、被害者と言うなら
架瑠さんの前妻の柳川 桜さんを
あなたの奥様と瞳子さん
大友 春さんが、
面白、おかしく追い詰めた
事実は、どうなりますかね
柳川 桜さんは、病院に運ばれ
今でも心療内科に通院されていますが。
その件は如何考えられますか?」
「「そっ、そんな事
なにを根拠に?」」
と、瞳子の母親と春が叫ぶと
「こちらは、写真の一部で
ブライダルサロンの写真です。」
と、数枚が並べられた。
3人は楽しそうにドレスを着る
写真の中で桜だけは
うつ向いて、椅子にも座らずに
後ろに立っている。
後は、ボイスレコーダー
それを再生すると
春の声で桜を罵るあらゆる言葉の
数々と瞳子の桜をバカにする言葉が
流れていた。
「如何ですかな?」
と、彰が相澤の親子と大友の夫婦に
詰め寄ると
「写真もボイスレコーダーも偽物だ。」
と、卓が言うと
「そうですか、わかりました。
では、裁判官に決めてもらいましょう。
偽物であるか本当であるか
専門の方が見て、聞いてもらえば
わかる事ですから。
そのときは、全ての事が公になります。」
と、彰が告げると
「おっ、脅すのですか?」
と、瞳子の母親が言う
「私は、
どのように取られても構いません。
ただ、架瑠さんは、双方に対し
穏便にと思われていたから
まずは、話し合いをと、言われましたが」
と、彰さんは冷静だ。