幸せの扉を探して
「お前達は、私が知らないところで。
いったい、何をやってるんだ!!」
と、瞳子の父親が怒鳴り
妻と瞳子を見ながら
「瞳子、離婚届にサインしなさい。
保証人は、お前が書きなさい。
架瑠君、離婚に応じる。
条件もこれで良い。」
と、言った。
架瑠は、
「ありがとうございます。」
と、頭を下げた。
瞳子と瞳子の母親は、
父親からの激昂に
ふるえながら記入した。
その用紙を彰は確認して
「明日提出致します。
それと、瞳子さんが今妊娠していた
場合、架瑠さんの子となってしまいます。
そんな茶番に架瑠さんを
巻き込ませたくありませんので
こちらにもサインをしてください。
保証人は、相澤さんにお願いします。」
それには、架瑠との性生活は、
一度もなく、この一年に妊娠が
発覚しても大友(柳川)架瑠氏には
一切関係ありません。
と、書かれたものだった。
瞳子も瞳子の父親も
一瞬、目を開いたが、
その用紙にも記入した。
その用紙と離婚の条件の用紙も
彰は、確認して受け取り
「間違いありません。
ありがとうございました。」
と、言い
「申し訳ありませんが
この場をお借りしまして
大友さん、架瑠さんは
あなた方両親との縁を切ると
おっしゃっています。
ですので、こちらの除籍の用紙に
ご記入をお願い致します。」
と、彰が伝えると
卓は、
「何を言ってるんだ、
架瑠は、私の息子だ。」
と、言い
「そうよ、そうよ。
会社の副社長もやっていて
きちんとした地位も与えて
裕福な生活も出来ているのに
大友家から離れられるわけがない。」
と、言う春。
だが、彰は
「架瑠さんは、
もう、会社も両親も
要らないそうです。
ですから、もちろん
大友の姓も捨てます。
今からは、自分の愛する人達と
幸せに笑いながら毎日を
送りたいそうです。」
と、言った。