幸せの扉を探して
「辞める・・・?
要らない・・・?
そんな・・ことが・・
許されるか・・
絶対に、そんなもの書くつもりはない。」
と、卓が言うと
今まで黙っていた架瑠が
「あんたに許してもらう
つもりはない。
俺は、あんた達を絶対に
許さない!!
あんた達が、
桜に行った数々のこと
放った言葉の暴力は、
人間として
許されることじゃないんだよ。
桜は、好きで両親を事故で
失くしたわけじゃない。
彰さんの事務所に勤めていた
桜のお父さんは、立派な弁護士で
彰さんは、桜を引き取ると言ったが
誰にも迷惑をかけたくないと
自分で決めて孤児院に身を寄せたんだ。
中学二年生の子供がだぞ。
桜は、孤児院の生活は
楽しかったし
先生方も、すごく優しくて
感謝しかないのって言っていた。
それに、
大学の成績も常にトップ。
すごく頭も良いし
何事にも一生懸命に取り組む
だが、それを傲ることもなく
謙虚で心優しい女性で
俺には、もったいない妻なんだ。
そんな桜を
あんたは、くだらない見栄や考えで
壊したんだよ!!
桜は、いまだに着信音に
ふるえて苦しんでいるんだ
一日に何度も電話をかけて
暴言を繰り返し
マンションにまで
出向いての悪態に。
それなのに、
あんた達を責めることも
何一つ言わない。
今でも、
俺があんた達から離れると言うと
悲しい顔をするんだよ。
俺は、桜がいないと
自分をコントロールできない
俺が、愛するのも
そばにいて欲しいのも
桜だけだ。
他には、何も要らない
だから、桜を一生守り抜く
あんたらが、これ以上
騒ぐなら、出るとこにでる。
俺は、失うものは
何一つないんだ。」
と、両親を睨み付けながら
言い放つと
「お、脅しだ!」
と、言う卓に
「当たりませんね。
あなたの奥様が言ったこと
行ったことの方が脅迫になります。
警察にこのまま提出しても
構いませんが。」
と、彰が言うと
「わっ、わかった。
書く、書くから。寄越せ!!」
と、言うと卓と春は記入した。
そして彰は、
相澤親子と大友の両親に
桜との接近禁止をも書かせた。
「以上で、全て終わりました。
ありがとうございました。」
と、頭をさげた彰。
そして顔をあげた時
五人の顔を見回して・・・
「知りもしないくせに
孤児院にいたからというだけで
バカにしたり、卑下したり
情けない限り・・
そんな方々が、経営者トップに
いることの方がおかしいし
先が・・この先はいいませんが。」
と、フッと笑い。
「私と妻の大事な、
大切な娘の桜と
娘の旦那の架瑠に
何かしましたら、私は私の力を
使って全力であなた達と戦いますから
お忘れなく。」
と、言って
「さあ、架瑠君、帰りますよ。」
と、架瑠に微笑むと
架瑠と二人で一緒に相澤家をでた。