渡せなかった手紙の行方
「おはよう」

彼は、私に何故か声をかけてきた。

「…っお…はよう」

私は目を疑った。

私に話しかけてきたのは、人気者の吉澤(よしざわ)君だったから。

「いつも、千紘ちゃんは早くに来てるよね」

「……え?な…んで」

「知ってるよ。俺も早く学校に来てるから。分かってたよ」

吉澤君はみんなから好かれていて、顔も性格もパーフェクト。

だから、みんなからチヤホヤされる。

みんなは何を見ているのだろう。
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