あの日の空にまた会えるまで。

「あー…まぁ、前の私なら祐飛さんを利用しろって言ってるかもね」

……やっぱり。
ていうか利用って、なんて酷い。

「でも今回はそういうのは言わないよ。葵が自分で決めたことを私は見守るって決めたの。葵が忘れるために頑張ってるんだから、邪魔はしない」
「……そっか」

真央の気持ちに触れてなんだか胸が熱くなる。

「てゆーか、そんなんはどうでもいいからとにかく祐飛さんには気をつけなよ！」

どうでもいいって。せっかく真央の優しさに感動してたのに。

でも、祐飛さんは真央の言う通り、気をつけないといけない。

気をつけると言っても。祐飛さんは悪い人じゃない。とても優しい人だ。それが分かるからこそ邪険にはできないし、傷付けるようなことはしたくない。けれど、忘れ方を探している最中に奏先輩のことを蒸し返されるのは非常に困る。

私は一つ大きな溜め息を吐いた。

「どうしようかな…」




祐飛さんの存在が私の人生の決断と答えに大きく影響するなんて、この時は思いもしなかった。