あの日の空にまた会えるまで。
電話?高校?
蓮先輩と奏先輩は連絡を取り合ってたってこと?それも高校って……どうして姿を消したはずの奏先輩と蓮先輩が高校のときから連絡を取り合ってるの?
あの頃、蓮先輩は私になにも言わなかった。
ただ心配してくれていた。だからよく遊びに連れ出してくれた。そんな蓮先輩は当時、既にもう奏先輩と連絡を取り合ってたということーーー?
「全部お前が悪い」
同じことを再度口にした蓮先輩の手に少し力が込められた。
「分かってるよ。俺が悪い」
奏先輩の表情は分からないけれど、その声に元気はなかった。
「お前、どうするつもりだよ」
なんの会話をしているのだろうか?
「どうしようもないだろ」
「またそうやって何もしないままウジウジしてるだけか?」
「俺に何ができるんだよ」
「お前にできることなんてないよ。ないけど、だからって何もしないくせにいつまでも引きずってんなよ」
「……」
「再会したって俺にわざわざ電話寄越してまで忘れられない奴が、今更なにを悩むんだ」
ーーー…っ!
再会……?
ということは、もしかして私のこと…?
いや、違う。きっと違う。
あの時、期待して切り捨てられたんだ。だから期待なんてしない方がいい。期待するな、考えるな、耳を傾けるな。蓮先輩の胸の中で目を瞑る。途端、それでも聞こえる声に私は耳を疑った。
「……あおちゃんは、俺に会いたくないだろ」
「っ!」
時が止まったようだった。
そんな私には容赦なく2人は会話を続けた。