あの日の空にまた会えるまで。


けど、自分の中で一つの選択肢ができたのは確かだった。

会って、話を聞く。

そんな些細なことすら私は決断できなかったから。そんな簡単なことが、難しかった。

だって、会ってどうするの?

また期待するの?勝手に期待して勝手に傷付いて、裏切られた気になって。それをまた繰り返すの?

私はもう二度と、あんな想いをしたくない。あんな、惨めで愚かな想いを繰り返したくない。だからこそ、答えが出なかったというのに。


切り捨てられるのなら、再会なんてしなくていい。裏切られたままで良かった。あのままで良かったのに、それとは裏腹に、現実は異なる道を進んでいく。

再会してしまったからには、私も一歩を踏み出さなきゃいけない。

それがどんな一歩でも、少しでも前に進める一歩を。



ーーー会いたい。


彼の人の声が、いつまでも耳に響いている。


ねぇ、私はどうしたい?

6年前の失踪に何らかの意味や理由があると知った今、私が選ぶ答えはーーー。




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