あの日の空にまた会えるまで。
答え
最近、ちょっと変わったことがあった。
それはまさに今、目の前で繰り広げられていることなんだけど…
「春と悠斗はいつからそんなに仲良くなったの」
二人の仲睦まじい姿を見ていた私たちだけど、先に口を開いたのは真央の方だった。
「別に、普通じゃね?」
「そうかな?」
2人はそう言うけれど、絶対仲の良さがグンと上がってる気がする。
しかも突然。急に。唐突に。
何かあったのだろうか?
「絶対普通じゃないよ!あんた達、今日一日ずっと一緒にいるよね?なんかあったんでしょ!」
白状しなさい!と事情聴取ばりの勢いで真央が身を乗り出した。
そう、春ちゃんと悠斗が急速に仲を深めているのだ。真央が実習中に、2人一緒に大学へ来るのを窓から見えたらしい。そして私は構内で2人並んで歩いているのを見た。
そして時間も合ったので真央と昼ご飯を…と思って真央とランチルームにいるとまたもや2人並んで仲良くご登場。
この2人、学科は違うはずなんだけど何故かずっと一緒にいる。
「ほんとになんもねぇよ。強いて言うなら、趣味が同じだったっつーか…」
「趣味ぃぃ?」
真央の取り調べ感が半端ない。だからなに?みたいな顔をしてる。
それより、趣味が同じってことは、悠斗の趣味と言えば…
「あ、漫画?」
「おうよ。春も漫画とかアニメ好きなんだってさ」
悠斗は大の漫画好きだ。漫画好きの繋がりで同じくアニメも好きだ。私も何度か無理矢理に漫画とDVDを押しつけられたことがある。真央にも同じことをして突き返されていたのを見たこともある。
悠斗が好きな漫画やアニメを語り出すと永遠に止まらない。こちらから遮らないとずっと語り続けてる。漫画やアニメ。それが悠斗の趣味だった。
「春ちゃんも好きなんだ?」
「うん!それもね、好きなジャンルも同じだから、話が合うの!」
私と真央では理解できなかったやつだな…と心の中で思う。漫画やアニメを見ても、面白いとは思っても趣味や好みにはならなかったから。だから話を聞いてあげてもあまり分からなかった。