擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー
突然のプロポーズ


 二章 突然のプロポーズ


 休み明け業務に戻った亜里沙はたまりにたまっていた仕事に忙殺されていた。

 IT企業『YOTUBA』での亜里沙の担当は経理業務。営業から回ってくる伝票をチェックして経費に充てるのが主な仕事だ。

 この春、ベテラン社員である引田洋子が産休に入ったため、今まで彼女がしていた業務もこなさなければならず、亜里沙は残業三昧の日々を送っていたのだ。

 それも休暇を取る少し前には業務に慣れてきて、残業もかなり減ってはいたのだけれど、休んだ分のツケは大きい。

 急ぎの伝票を粗方処理し終わって、ふうっと一息ついていると、背後から伸びてきた手がデスクの上にチョコクッキーを置いてくれた。


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