こんなにも愛しているのに〜それから

夫は
私より４歳年下で、
根っからのお坊ちゃん育ち。

育ちの良さからくる
おっとりとした優しさに
私は惹かれて
付き合うようになって
何の躊躇いもなく同棲して
、、、、、
結婚した。

夫の長所である優しさが
会社経営となると
短所にしかならないのだ。
義父も
’ ヨシちゃんが息子で、
則文が嫁さんだったらよかったな。’
と
よく溜息をつかれる。

夫の親族の
会社重役たちには
私は
目の上のたん瘤でしかない。
次のターゲットは
自分たちなのだから
仕方があるまい。

夫も
大きな仕事も任せてくれる義父でさえも
叔父たちへの肩たたきは
慎重にと言ってくる。

一人で逆風を受けているような日々だ。
夫は私に苦言しか呈さない。
でも
実際に会社は持ち直してきているでしょ。
あの重役たちが
何をしてくれたというの。
働きに対して
不相応に高いお給料をもらっている
この理不尽さ。
いくら
夫に訴えても
役員の引退勧告に
頷いてはくれない。

それどころか
子供を一人っ子にするのは可哀想だから
もう一人子供を作ろうって
この忙しさに
言ってくる、無神経さ。

忙しすぎて
お義母さんが子育てを手伝ってくれないと
立ち行きいかないのに。

夫の仕事は
接待ゴルフ。
接待で会食。
接待できれいなおねえさんのところで
飲むこと。

それすら
嫌がる夫。

夫と
結婚してもいいかな
と思った自分の短慮さに溜息が出た。

そして
西澤くんと共に働き
緊張感に溢れた
充実した日々と
彼への想いを
思い起こす。