こんなにも愛しているのに〜それから
私は
則文の私への強い思いに
打ちのめされた。

いつも
自分の思いばかりで則文を振り回し
別れてもいいなどと心の中で
嘯きながらも
自分の卑怯な逃げ道で
則文との結婚を承諾し、、、

則文は苦しかっただろうに
私を幸せにすることだけを
考えてくれていた。

私が我慢すれば、、、
則文は私のことを愛してくれているから
二番目に好きな人でも
私は幸せでいられる、、、なんて。

どんなに思い上がった人間なのか。

私は
醜い。
なんて
醜い人間だろう。

「自分が不甲斐ないばかりに
大変な思いをさせて
子供のことも母に任せっぱなしで
苦しかったろうに、
それなのに
弱い僕は他の女の人との情事に溺れていた。
自分が情けない。
結局その後始末もヨシがしてくれて、、、」

違う。
私はそんなにいい人じゃない。
自分の醜さを曝け出すこともできずに、
いい人ぶっているだけの
姑息な人間なの。
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