こんなにも愛しているのに〜それから
「だから
もう本当にヨシを自由にしてあげなきゃって
思ったんだ。
ヨシがヨシらしく生きられるように
執着している僕が手を離さないと。
遅すぎたかもしれないけど
自由に生きてほしい。
会社は、
僕が継いで分相応に護りに入るから。
大きくはできないかもしれないけど
手堅くはやっていける。
親父も母さんもがっかりするとは思うけど
わかってくれると思う。」
則文、、、
違うの。
私はあなたにずっと護られて
生きてきたの。
「子供の親権は僕で、養育権は君でもいいけど
一緒にいるのが無理なら
僕のところで育てたい。
もちろん
会いたい時に会っていいから。
ただ
行方不明にだけはなってほしくない。」
「私は
あなたがいうほどいい女でも何でもない。
いやいなるぐらい醜い人間よ。
則文を嫌いになったことなんかなかった。
でも
それ以上に好きだと思った人がいた。
結婚をやめようかとも思ったけど、
その人に徹底的に振られて
卑怯にも何も知らない則文に逃げた。。。
何も知らないはず
何も気づいていないって
思っていたけど
則文はわかっていたのね。
なのに私は
自分がしていることに
何の罪悪感を抱くこともなく
素知らぬ顔をして結婚して
子供を産んで、
仕事をして、
それがとても楽しくって
将棋の駒のように
周りの人たちを倒しながら
進んでいって
段々と陣地が固まり広がっていくのを
面白いと思っていた。
だから
積極的に動かない則文に
歯痒い想いも抱いた。
「甘えて則文という存在に執着したのは
私の方。
則文が守ってくれている陣地の中にいたのに、
気づこうともしなかった。
今回のことだって、
あの彼女と私は、同類だと思った。
人の思いを何とも思わずに、
傷つけるのも厭わずに
自分のことだけを考えて。」
自分が出した毒で
自分がじわじわと弱っていくようだった。
「本当に嫌な、醜い人間よ。
則文に愛される資格なんて何にもない。
則文から手を離されても、
当たり前だと思う。」
「ヨシ、
いつでも君は僕の中で輝いているよ。
好きで、好きで、好きで
どうしようもないのに、
どうしたんだろうな、、、」
則文が苦しそうに呟く。
「ごめんなさい。
私のせいよ。
則文がこんなにも愛してくれているのに
私はそれを踏み躙った、
酷い人間なの。
則文は何も悪くない。
則文の本当の幸せを思えば
ここで別れるのがいいことだと思う。」
「違うよ、ヨシ。
君のせいじゃない。」
則文はいつも私のことを思ってくれていた。
今更
そのことを改めて思い知っても
仕方がないことかもしれないが。
もう本当にヨシを自由にしてあげなきゃって
思ったんだ。
ヨシがヨシらしく生きられるように
執着している僕が手を離さないと。
遅すぎたかもしれないけど
自由に生きてほしい。
会社は、
僕が継いで分相応に護りに入るから。
大きくはできないかもしれないけど
手堅くはやっていける。
親父も母さんもがっかりするとは思うけど
わかってくれると思う。」
則文、、、
違うの。
私はあなたにずっと護られて
生きてきたの。
「子供の親権は僕で、養育権は君でもいいけど
一緒にいるのが無理なら
僕のところで育てたい。
もちろん
会いたい時に会っていいから。
ただ
行方不明にだけはなってほしくない。」
「私は
あなたがいうほどいい女でも何でもない。
いやいなるぐらい醜い人間よ。
則文を嫌いになったことなんかなかった。
でも
それ以上に好きだと思った人がいた。
結婚をやめようかとも思ったけど、
その人に徹底的に振られて
卑怯にも何も知らない則文に逃げた。。。
何も知らないはず
何も気づいていないって
思っていたけど
則文はわかっていたのね。
なのに私は
自分がしていることに
何の罪悪感を抱くこともなく
素知らぬ顔をして結婚して
子供を産んで、
仕事をして、
それがとても楽しくって
将棋の駒のように
周りの人たちを倒しながら
進んでいって
段々と陣地が固まり広がっていくのを
面白いと思っていた。
だから
積極的に動かない則文に
歯痒い想いも抱いた。
「甘えて則文という存在に執着したのは
私の方。
則文が守ってくれている陣地の中にいたのに、
気づこうともしなかった。
今回のことだって、
あの彼女と私は、同類だと思った。
人の思いを何とも思わずに、
傷つけるのも厭わずに
自分のことだけを考えて。」
自分が出した毒で
自分がじわじわと弱っていくようだった。
「本当に嫌な、醜い人間よ。
則文に愛される資格なんて何にもない。
則文から手を離されても、
当たり前だと思う。」
「ヨシ、
いつでも君は僕の中で輝いているよ。
好きで、好きで、好きで
どうしようもないのに、
どうしたんだろうな、、、」
則文が苦しそうに呟く。
「ごめんなさい。
私のせいよ。
則文がこんなにも愛してくれているのに
私はそれを踏み躙った、
酷い人間なの。
則文は何も悪くない。
則文の本当の幸せを思えば
ここで別れるのがいいことだと思う。」
「違うよ、ヨシ。
君のせいじゃない。」
則文はいつも私のことを思ってくれていた。
今更
そのことを改めて思い知っても
仕方がないことかもしれないが。