離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
真奈加が部下としてずっと働いていれば、日中も彼女の顔を見られたのにという浅はかな願望。恋は盲目とはこれだ。
百々花がポケットから取り出したスマートフォンで連絡を入れると、ふたりとも大丈夫だという。ただ、百々花同様にこんなに早く挨拶になるとは思っていなかったため、驚きぶりは半端ない。
百々花は帰り支度をして、千景の車に乗り込んだ。
「先日は、醜態をさらしてすみませんでした」
改めて千景に頭を下げる。昨日は謝っているどころの騒ぎではなかったため、言いそびれていたのだ。
「あんなにお酒を飲めるタイプとは思ってなかったよ」
千景はクスッと鼻を鳴らした。
どういうイメージを抱いていたのか定かではないが、酔った姿がそれだけ酷かったのだろう。恥ずかしいやら情けないやらで、百々花はシートで縮こまった。
「本当にすみません……」