離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


言い訳をさせてもらえるなら、普段はあそこまで豪快には飲まない。大きな仕事が舞い込み、つい浮かれモードに突入。断片的に記憶を失うどころか、千景の提案を安請け合いするくらいなのだから、アルコールは本当に怖い。


「楽しい酒なら大いに結構だ」


慰めだろうが、そう言ってもらえると気が楽になる。


「ありがとうございます」


百々花はもう一度頭を下げ、シートにゆったりと身体を預けた。


自宅に到着し、リビングへ案内すると妙にかしこまった利一がいた。ソファに座るときには、たいてい背もたれにドーンと身体を預けて大股開きの利一が、背筋をピンとさせ両膝の上に軽く拳を握った手を置いている。

そんな姿を見ると、百々花のほうまで緊張してくるからかなわない。


「夜分遅くに突然申し訳ありません」


ソファの脇に立ち、千景が深く腰を折る。
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