離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


真奈加に対するデレッとした顔を封印。利一はこれ以上ないくらいの真剣な表情で言った。
ふたりで寄り添って生きてきた長い時間を思って、百々花の胸が熱くなる。


「わかっております。百々花さんは責任をもって幸せにします」


千景は胸を張り、はっきりと言いきった。
そこに隠されている真意は違うのに、百々花はその言葉に不本意ながらドキッとさせられる。

やだな、意味は違うのに。

慌てて心を鎮めた。

ようやくひと波乱が収まり、コーヒーを飲もうとそれぞれがカップを手にする。百々花も第一段階をクリアし、肩から力が抜けた。

これでようやくこの家から出られる。
そう思うと、これからの未来が楽しみで仕方がない。

隣にいる千景に思わず微笑みかけたところで、リビングのドアが開いた。入ってきたのは、ほかでもなく昌也だ。
見知らぬ人物がいるのに気づき、顔を硬直させる。


「昌也、おかえりなさい。百々花さんのお相手が見えてるのよ」
「相手?」
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