離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

そう断りドアを開けると、ベッドに寝転んでいた昌也は体勢を起こして座った。


「結婚の話、突然で驚かせてごめんね」
「……本気で結婚するつもり?」


初めて聞く、低い声だ。視線も、やけに強い。


「うん」
「なんで」
「なんでって……」


普通のカップルなら〝好きだから〟と即答できるのかもしれないが、理由はほかにあるため、つい言葉に詰まる。昌也の目が真っすぐすぎるせいもあるだろう。


「さっきの男を好きなのか?」
「あぁ、うん、そうだね」


核心を突く質問に目が泳ぐ。それでもなんとか肯定した。
自分にはもったいないし、紳士的でとても素敵な人だ。普通なら結婚どころか恋愛対象の相手にも見てもらえない。


「ふーん」
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