離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
百々花の言葉を信じたかどうか、微妙な顔だった。
なんとなく深層心理を探られているような居心地の悪さから、百々花のほうが先に目を逸らした。
「ほんといきなり驚かせてごめんね」
「男がいた様子はなかったけどね。いったいいつのまに?って感じ。百々花の演技力が相当うまかったのか」
演技力と言われてギクッとせずにはいられない。
「う、うん、そうだね。照れ臭いし、からかわれたらいやだから隠していたの」
努めてにこやかにしたものの、しどろもどろだ。
「そ。まぁ、俺は認めないけどね」
主張を変えるつもりはないらしい。
「どうして?」
「どうしても」
昌也は立ち上がり、百々花を回れ右させる。部屋から追い立てるつもりのようだ。