離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「高坂さんが流川さんの従姉さんなのも」
身近に千景との繋がりがあるとは思いもしなかった。
「それから、弟の失礼な態度はすみません」
昨夜は結局あれきり。今朝も百々花が出勤するまで起きてこなかった。
「彼は百々花を好きなんだな」
「え!? まさか!」
昌也が自分を好きなんて、ありえない話だ。
百々花は助手席のシートでお尻を浮かせるくらい、千景の言葉に驚いた。
「まさかって。彼の態度を見ればわかるだろ」
いったいどのへんがそうなのか。思い返してみたものの、百々花にはさっぱりだ。
「だって弟ですよ?」
「血の繋がりはない」
「そうですけど、弟には違いないですし。それに歳も私のほうが六歳も上です」
彼は二十一歳。昌也から見たら、おばちゃんと思われてもおかしくない。