離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


「俺のほうはさておき、昌也くんは少なからず百々花に気がある」
「今ひとつピンとはきませんけど……。あっ、それより、流川さんのご両親にはいつお会いできますか?」


挨拶も済んでいないのに籍を入れてもいいのだろうか。今さらながら思い出した。


「それはまた後で。母親は昨年亡くなっているから、父親だけなんだ」
「そうなんですね。私の母も小さいときに病気で」
「そうだったのか」


意外なところに共通点があった。


「亡くなった母も、百々花のように花が大好きでね。生前は庭を花で埋め尽くしていたものだ」


千景の横顔にやわらかな笑みが浮かぶ。不思議と親近感が湧いた気がした。
< 118 / 301 >

この作品をシェア

pagetop