離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「俺がやるよ」
クスッと笑いながら、百々花からコーヒーサーバーを受け取った。
「すみません。ちょっと手が滑って……」
いつもこんなに不器用なのかと思われたくないが、弁解したところで言い訳にしか聞こえないだろう。
それもこれも昨夜のキスが原因。千景の顔もまともに見られないし、これまでになく心臓はドクドクと脈を打っている。
「そ、それから、どんなものがいいのかわからなくて」
「朝食のこと? それなら十分すぎるくらいだ。百々花も仕事をしてるんだから、無理して作る必要はないよ」
千景はダイニングテーブルに並んでいるものを見た。
「自分でも食べるので大丈夫です」
朝食はしっかり食べないと、職場で目が回ったら大変だ。比較的身体を使う仕事のため、朝はとくに重要。