離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「神谷さん、こちらです」
千景に誘導されて社長室を出る。打ち合わせはべつの場所で行うらしい。
エレベーターでワンフロア下がり、案内されたのは大きなテーブルを囲うように椅子がいくつも並んだミーティングスペースだった。
すでにメンバーが集まっていて、入って右側にずらっと四名が並んでおり、つい圧倒される。
「この前話した、アリアシェリーの神谷百々花さんだ」
「神谷と申します。どうぞよろしくお願いします」
入ってすぐに千景に紹介され、百々花は隣で頭を下げた。
シュプリームウエディングのメンバーのひとりひとりと名刺交換を終えて席につくと、早速プロジェクターに今回のブライダルフェアの概要などが映し出される。
フェアは約三週間後。内容的にはほとんどが決定事項として動き始めているらしく、リーダーの田原が百々花のために丁寧に解説してくれた。
「神谷さんには今、田原から話があったように、エントランスから会場入り口までのアプローチの演出はもちろん、会場内の装花をお願いしたいと考えています」