離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

それでも無反応というわけにはいかず、コクコクとうなずき目で訴えた。
心臓にとても悪い。

百々花の反応に納得したのかしないのか、千景は炒めたものの上に生ハムをポンポンと乗せていく。そしてさらに溶き玉子を流し込んでふたをした。

待つこと数分。タイミングよく炊き上がったご飯を大きめの器によそい、彩りの美しい炒め物を乗せ、洋風とんぶりの出来上がりだ。


「おいしそう!」


思わず手を叩く。見た目はもちろん匂いも最高。


「味の保証はないと謙虚にいきたいところだが、本気でうまいぞ」


よほど自信があるらしい。千景が言うのだからそうなのだろう。
テーブルに運び、揃って「いただきます」と手を合わせる。早速口に運ぶと、玉子はふんわりとやわらかく、トマトの酸味とニンニクの相性が抜群。想像のはるか上をいくおいしさだった。


「本気でおいしいです」
「だろう」


百々花の感想にうなずき、満足そうに笑う。
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