離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

仕事が忙しいため映画やショッピングは未体験でも、朝起きて一緒に食事をして、帰ればふたりで夕食をとる。ワインを開けておしゃべりする夜もあった。


「ってことは、セックスもあり?」


愛華の質問に飲みかけていたソーダ水を吹き出しそうになった。剛速球もいいところである。


「そんなのないよっ」
「それじゃ普通じゃないでしょ。夫婦なんだから」
「だって、離婚するのに」


身体を重ねたら、それこそ気持ちが揺らぐ恐れがある。それでも気持ちが揺れない自信はない。スキンシップは本当に危険なのだ。現に……。


「じゃあキスは?」


今まさにそれを考えていたため、今度はむせそうになった。


「したんだね」


百々花の過剰反応で丸わかりだろう。愛華はやけにうれしそうにニコニコしていた。
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