離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「まだそんなこと言うのー? ほんっと千景さんって素直じゃないんだからぁ」
コロコロと軽い声を立てて笑った。
「さて、では私はそろそろ出かけなくてはならないので失礼させてもらうよ」
突然、弘和が立ち上がる。
「父さん、話はまだ」
「悪いが、千景と香織さんの話なら聞くが、それ以外はお断りだ」
まるで存在から無視するようだ。百々花は一刀両断するように拒絶された。
「香織さんは少しここで千景と話していくといい」
「はーい。そうさせてもらいますね」
香織がにこやかに手を振り、弘和は和室を出ていった。
入れ違いで入ってきた家政婦が、先に出したお茶を下げコーヒーを三つ並べる。
「俺たちも帰ろう」