離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
救世主に揺れる心


シュプリームウエディングのフェアまで、あと二日。
百々花は最終確認のために会場である式場に足を運んでいた。完成したデザイン画を元に実際の現場とのすり合わせである。

真っ白な外観が印象的なBrilliant Weddingは、シュプリームウエディングの式場第一号として建設されたもの。駐車場から続く緩やかなカーブを描いたスロープを抜けると、装飾を施された重厚な木製の扉がとても華やかだ。

グリーンはすでに別室に運び込んであり、配置を待つ状態。メインのひまわりは、市場から仕入れたものを百々花が明日、搬入する予定になっている。


「神谷さん、いよいよ明後日ですね」


声をかけてきたのは、フェアの事務局リーダーである田原だ。
勝負の日が近づくにつれ緊張する百々花も、屈託のない笑みを見るとホッとさせられる。


「はい、最大限にいいものを披露できるようがんばります」


デザイン画を抱え、田原に笑顔で答える。
千景を始めとした、シュプリームウエディングのみんなに納得してもらえるような素晴らしいものを。その一心で準備を進めてきた。その集大成を最高なものにしたい。

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