離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「うーん、そうだなぁ……。あとはひまわり農家くらいしか考えられないよなぁ」
「農家さん! そうですよね! そこがありました!」
市場や卸問屋になければ、直接そこに掛け合う以外にないだろう。ひとつだけ残された可能性に賭けるしかない。
直接やり取りの実績がないため、頼りはネット検索。皆川と手分けして、ひとつずつあたっていく。とはいえ、移動距離を考えれば、なるべく関東近郊となる。近場からしらみ潰しにあたり、ようやくあたりをつけたのは電話をかけ始めて三十分後のことだった。
『そのくらいの量なら大丈夫ですよ。ご用意できます』
「ありがとうございます! すぐに向かいますのでよろしくお願いします!」
快く了承をもらい、早速車を発進させた。向かうは南房総のひまわり農家。往復の時間と積み込む時間を多く見積もっても、午後三時までには会場入りできるだろう。
出発前に心配して待っている田原に一報を入れると、折り返しで千景から連絡が入った。
電話口でこそ百々花の心配をしていたが、大事なフェアの演出が台無しになったら大変だと不安だろう。詰めが甘いと思われたかもしれない。
とにかく急いでひまわりを手に入れ、会場入りしよう。
百々花は高速道路の流れに乗って車を走らせた。