離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
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すべてが完成を迎えたのは、午前一時まであと少しというときだった。
千景とリーダーの田原を残してスタッフは帰り、百々花を含めた三人で最終チェックをしていく。
ふたりがどんな評価を下すのかハラハラし、百々花の身体を緊張が駆け巡る。
期待外れだと言われるのが、なによりも怖い。もちろん百々花は今できる最大限の演出をしたと自信をもっている。でも、千景をはじめとしたみんなに迷惑をかけ、こんな時間まで付き合わせてしまったのだ。
期待以上の出来栄えだと思ってもらえるように願ってやまない。
エントランスのドアを開けると、会場入口までのアプローチにはひまわりをメインとしたアレンジメントが置かれ、高い吹き抜けを利用した背の高いグリーンは空間の奥行を印象づける。
ウエルカムボードや受付ブースにもひまわりをふんだんに使い、夏をイメージした仕上がりだ。
会場内の装花も同様。新郎新婦のメインテーブルは大ぶりのひまわり、ゲストのテーブルには小さいひまわりで円形を意識してかわいらしくアレンジしている。
「うわぁ、いいですねぇ、神谷さん。まさに夏のイメージにぴったり。華やかさもありますし、こちらの提示した以上にすばらしいです。ね? 社長」
「ああ」