離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「百々花、今回のことは俺からも謝らせてほしい。本当にごめん。香織も、これでもう悪さはしないだろう」
千景は両膝に手を置き、頭を下げた。
「いえっ、千景さんはなにも悪くありませんから!」
慌てて頭を上げてもらう。
「それどころか助けてもらってうれしかったです。ありがとうございました」
一巻の終わりに思えたときに颯爽とクルーザーで千景が現れ、百々花がどれだけ胸をときめかせたか。そのときの想いは、言葉では言い表せない。
「こっちこそお礼を言わせてくれ。百々花の演出のおかげでフェアは大成功だ。来場者からも大好評だったよ」
千景はそう言って、近くに置いたブリーフケースからクリアファイルを取り出した。
「今日の来場者に書いてもらったアンケートだ。百々花に関連するものだけをコピーしてきた」