離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
しばらくして二度目のインターフォンが鳴り、百々花が開けたドアから昌也が入ってきた。
「こんばんは」
千景に向けた挨拶は、どことなくトーンが低い。
「とりあえず上がったらいい」
そう言い置いて先にリビングに戻った千景を百々花と昌也も追う。
「ご飯は食べた?」
「まだだけど」
百々花が尋ねると、昌也はぶっきらぼうに答えた。
「それじゃ、私たちも今からだから一緒に食べない?」
すっかり冷めたロールキャベツに火を入れ、所在なくリビングに突っ立つ昌也をダイニングテーブルに座らせる。
「ね? 一緒に食べましょ。ロールキャベツ、たくさん作ったの」