離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
なんとなく重い空気を蹴散らすように明るく誘った。
百々花の前に千景、隣には昌也。テーブルには用意したロールキャベツや副菜が並ぶ。
「いただきます」
千景に倣って昌也も手を合わせると、早速箸をつけた。
今夜は千景に想いを告げて、どんな結果であろうとお酒でも飲みながら夕食を食べようと思っていたけれど予定変更だ。
「いきなり泊めてなんて、なにかあったの?」
「……べつに」
素っ気なく返す昌也にどう接したらいいのかわからず、チラッと千景を見る。無意識に助けを呼んだ。
「ご両親とケンカでもしたのか」
「あなたに話す義務はないと思います」
千景は大人だから平気かもしれないが、昌也がケンカ腰に返すからヒヤヒヤしてしまう。食卓の雰囲気が重苦しくなった。
「と、とにかく今夜は泊まるとして、明日はちゃんと帰ろうね」