離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


やはり見られていたようだ。恥ずかしさが輪をかける。


「ふ、夫婦だもん、当然でしょう?」
「そう? それなのに寝室はべつなんだ」


顔を赤くしつつ強気に言い返したものの、痛いところを突かれて言葉に詰まった。
昌也にそんなことまで気づかれていたとは。


「なにかワケありなんじゃなくて?」
「そんなのないよ……!」


つい必死になって否定する。契約だとは絶対に言えない。
昌也に知られたら、利一と真奈加の耳に入る可能性がある。家を出たかったからだと知ったら、ふたりは結婚したことを後悔するかもしれない。子供に祝福されない結婚だったと。決してそうではないけれど。


「そう?」


探るように目の奥を覗き込まれ、不自然に目を逸らす。


「ないってば。私も出かけるから、昌也くんも一緒に出てもらえる?」
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