離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「百々花は俺の妻。キミにとっては姉だ。妙な真似をしたら、ただではおかないぞ」
百々花は俺のモノ。そう言われたような気になり、鼓動が大きく弾む。
でもその独占欲はまやかし。気持ちの伴わない結婚だと、昌也に知られないためのフェイクに過ぎない。
そうわかっているのに、心がかき乱される。違うんだと自分に言い聞かせても、もしかしたらと願うのを止められない。
その狭間で揺れる心が、切なさに悲鳴をあげそうになる。
昌也は掴まれていた手を強引に外し、目を逸らしたまま顔を険しくさせた。
「今日は家に帰れ。わかったか」
百々花も聞いたことのないほど低い声だ。
「……わかってるって」
昌也は言い捨ててバスルームに入り、勢いよくドアを閉めた。