離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

ブリーフケースを受け取った百々花は、そのまま彼の腕に引き寄せられた。今朝のキスといい、そんなことは今までにない。


「百々花、いい匂いがする」


首筋に鼻先を近づけられ、ドキッとさせられる。


「お風呂に入ったので」


やっぱり先に入って正解だ。汗臭いと思われるところだった。


「昌也くんは?」
「夕方まで一緒だったんですけど帰りました」
「……夕方まで?」


千景の声色が変わる。百々花を引き離し、訝しげな顔をした。

正直に話して失敗だったと思っても、もう遅い。
千景が気分を害したのだとしたら、昌也に気をもたせるような真似はすべきではないという非難めいたものだろう。決してヤキモチの類ではない。


「あ、えっと……」
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