離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
昨夜、自分から伝えようと思っていたのに千景に先を越されてしまった。
でも、先も後もない。ひとつしかない想いは、ここにある。
「私も好きです。……千景さんが大好き」
予想をしていなかったのか、千景はこれ以上ないほどに目を見張った。
やっと伝えられた言葉が、まだ胸の中で暴れている。もっと彼に聞いてもらいたいと、百々花を突き動かした。
「ずっと前から好きでした」
千景を抱きしめたくて、絡めた指先を解いて彼の背中に手を回す。
「百々花」
ありったけの想いを込めて千景を抱きしめると、それに呼応するかのように彼は百々花を抱きとめた。
ようやく解き放たれた心が、歓喜に高ぶる。
大好きでたまらない。
もっとそばに、もっと近くで千景を感じたい。
重なった唇は、これまでの遠慮がちなキスとは程遠い熱を発する。求めたくても求められなかった千景の想いを感じ、胸が打ち震えた。
熱くたぎる想いをキスに乗せて伝えても、きっと間に合わない。後から後から新たに生まれる千景への気持ちは、際限がないように思えた。
気づけば百々花は、なにもまとわない裸身。キスに浮かされ、脱がされた感覚すらない。
素肌を這う千景の唇と指先が、百々花の身体をいっそう熱くした。