離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
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何度となく抱き合い、呆れるくらいにキスを交わし、乱れたベッドで千景の逞しい腕に抱かれ、百々花はこれ以上ない幸せの余韻に浸っていた。
弾んでいた呼吸は穏やかに。汗ばんだ身体がクーラーの熱で冷やされていくのがなんとなく寂しくて、ぴったりと千景にくっつく。
千景の胸に顔をうずめ、このままずっと隙間もないくらいに抱き合っていたい。
「百々花」
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、額にキスが落とされる。愛しさを込めた呼び方に胸の奥がきゅうんと鳴いた気がした。
「百々花は誰にも渡さない」
囁くような声で静かに言う。
「私も、千景さんを誰にも渡さないです」
千景の後を追って同じく宣言すると、ありがとうの意か、千景が軽く口づけた。
「昌也くんにはある意味、感謝だな。百々花にストレートに気持ちをぶつけるアイツが、正直怖かった」