離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「目に見えた成果がない以上、俺はあんたを信用できない」
頑として受け付けないつもりらしい。昌也は強く言いきった。
これが百々花の弟でなかったら捨て置くところだが、そうはいかない。百々花が千景の親に認めてもらいたいと思うのと同じく、千景も彼女の弟には受け入れてもらいたいのだ。
「どうしたら信用してもらえる?」
なにか手立てがあるのなら、それを講じたい。
千景は真剣に聞き返した。
「信用したくない」
なんて正直なのか。百々花を取られた感があるため、そもそもその男を許したくないのだろう。
昌也は眉間に皺を刻み、顔を険しくさせた。
だが、千景もここで引き下がれない。
「なんでもいい、キミが認めてもいいと思える方法を提案してくれるとありがたい」
お願いというよりは強要のほうが近いかもしれない。断るなという空気を醸しだす。