離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
千景をカフェコーナーにあるウッドチェアに案内し、コーヒーメーカーにカプセルをセットしてから女の子のもとに戻る。
「どんなお花をお探しですか?」
「あ、えっと……じつは母が夏風邪をこじらせて家で寝込んでいて」
「そのお見舞いとしてお花を?」
尋ねた百々花に女の子が、どこか照れ臭そうにコクンとうなずく。
優しい娘だ。
「お母様もお喜びになられるでしょうね。なにか特別好きなお花はありますか?」
「そうですね……黄色が好きだから、黄色い花がいいかなぁ。でもひまわりだとちょっと大きな気もするし……」
フラワースタンドをゆっくりと見て回りながら女の子が悩み始める。
「それならガーベラはいかがですか? ぱっちりした愛らしい花顔もはっきりとした花色も、とても人気のあるお花です」
ピンクに白に黄色。さまざまなカラーのガーベラが生けてあるフラワースタンドを手で指す。